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モバイルバッテリー機内持込み新ルールと半固体バッテリーの基礎知識

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モバイルバッテリー機内持込み新ルールと半固体バッテリーの基礎知識

モバイルバッテリーの普及に伴い、これに起因する事故や火災が増加しています。こうした状況を踏まえ、機内持込みに関する新たなルールが適用されることになりました。また、ゲル状の電解質を用いた半固体モバイルバッテリーが2025年末頃から市場に投入されています。本稿では、これら2つの動向について解説します。

1.モバイルバッテリーの機内持込みに関する新ルールの概要

2026424日より、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準の変更、および国土交通省による指針の改正に伴い、モバイルバッテリーの機内持込み個数および機内での充電に関する取扱いが変更されました。

機内持込みは「12個まで」「1個あたり160Wh以下」とされ、機内での充電・給電は不可とされています。また、預け入れはできず、手元で管理することが求められます。

2.半固体(準固体)モバイルバッテリー

2-1.半固体(準固体)モバイルバッテリーとは

モバイルバッテリーに用いられるリチウムイオン電池には、電解質としてイオンが移動しやすい有機溶媒(液体)が使用されています。この有機溶媒は可燃性であり、過充電や外部からの衝撃、内部短絡(ショート)などにより異常発熱が生じた場合、電解液や電極材料の分解によってガスが発生し、電池が膨張することがあります。この状態でさらに内部短絡が生じると、発火や爆発に至る危険があります。

こうした課題に対し、液体の有機溶媒をゲル状(半固体)にすることで流動性や可燃性を低減し、安全性の向上を図った「半固体モバイルバッテリー」が開発され、2025年末頃から市場に出回るようになりました。

2-2.半固体(準固体)モバイルバッテリーのメリットとデメリット

2-2-1.メリット

安全性の向上(最大の特徴)
熱暴走の連鎖を抑制し、発火・爆発リスクを低減します。ゲル状の電解質により可燃性の有機溶媒の流動性が抑えられ、化学反応の進行や拡散が緩やかになるため、熱暴走の連鎖が起きにくくなります。

長寿命
2,000回の充放電が可能とされており(従来の約4倍)、長期的なコスト低減につながります。

温度耐性が広い
低温から高温まで比較的安定した性能を維持できるため、屋外利用や防災用途に適しています。

構造安定性
液漏れしにくく、衝撃にも比較的強いことから、持ち運び時の安心感が高いという特徴があります。

2-2-2.デメリット

規格・定義の未成熟
比較的新しい技術であるため、「半固体」「準固体」などの定義が統一されておらず、メーカーごとに仕様や性能に差があります。また、市場実績が少ないため、長期的な信頼性データは十分とはいえません。

価格がやや高い
新技術であるため、従来製品と比べて高価な傾向があります。

完全に安全ではない
リスクは低減されていますが、完全に安全というわけではありません。高温環境を避けるなど、従来と同様に適切な取り扱いが求められます。

2-3.半固体モバイルバッテリーを購入する際の留意点

現在、インターネットや店舗において、各メーカーから多様な半固体モバイルバッテリー製品が販売されています。購入にあたっての主な留意点は以下のとおりです。

技術説明が明確な製品を選ぶ
「半固体」の定義は統一されておらず、メーカーごとに電解質中の液体量や構造、安全設計に違いがあります。このため、技術的な説明が明確に示されている製品を選ぶことが重要です。特に、実績のある国内メーカーの製品は、品質や安全性の面で比較的信頼性が高いといえます。

安全規格を確認する
モバイルバッテリー全般に共通する確認事項として、以下の点をチェックしてください。

PSEマークの表示があること

UN38.3試験(国連規格の輸送安全試験)に適合していること
 ※UN38.3試験への適合が確認できる製品を選ぶことが望ましい。市場で販売されている製品の多くは当該試験に適合していますが、表示の有無はメーカーにより異なります。

・保護回路(過充電防止、過放電防止、温度検知等)の説明があること

出力性能(W数)を用途に合わせる
使用する機器に応じて、必要な出力性能を確認してください。

・スマートフォンのみ → 20W程度で十分
・ノートPC等 → 30W以上が目安

過信せず適切に取り扱う
半固体モバイルバッテリーは、従来製品と比べて発火リスクが低減されていますが、完全に安全というわけではありません。高温環境での放置や強い衝撃を避けるなど、従来と同様に適切な取り扱いを心掛けてください。

以下に、モバイルバッテリー購入の際のチェック表を示しますので、参考にしてください。

3.モバイルバッテリー購入時のチェック表

【実務参考】モバイルバッテリー購入時のチェック表

最重要

チェック項目

要注意サイン(怪しい)

実務判断

🔴 PSEマーク

表示なし/印字不鮮明/シールのみ

NG(購入回避)

🔴 メーカー情報

会社名・住所不明

責任不明=NG

🔴 容量とサイズ

小型なのに大容量(例:薄型30000mAh

ほぼ虚偽表示

🔴 価格

相場の半額以下

安全コスト削減の可能性大


重要(2つ以上該当なら購入回避)

チェック項目

要注意サイン

実務判断

🟠 UN38.3表記

記載なし(特に海外品)

信頼性低

🟠 保護回路

説明なし

安全機構不足

🟠 重量

容量の割に軽すぎる

中身不足の可能性

🟠 レビュー

不自然/短文のみ

サクラの可能性

🟠 保証

なし/極端に短い

品質不安


 半固体モバイルバッテリーは安全性向上の観点から注目される新しい技術ですが、従来製品と同様に適切な知識と取り扱いが重要です。本稿が、安全で適切な製品選択の一助となれば幸いです。


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株式会社ワイピーシステム

著者情報

株式会社ワイピーシステム
消棒シリーズ マーケティング部門

日々の防災分野で役立つコラムを発信。
経済産業省「新連携」事業全国第1号認定を得て、二酸化炭素消火具「消棒®」シリーズを開発し製造販売しています。

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