台風やゲリラ豪雨などの大雨の日に、「車がアンダーパスで立ち往生して動けなくなった」というニュースをご覧になったことはありませんか。
異常気象が増えている昨今、こうした事態に巻き込まれるリスクは誰にでも起こりうることです。
こうした車の緊急事態に備えて準備しておきたいのが、「車用緊急脱出ツール」です。
本コラムでは、車が水没したときの正しい対処法に加え、おすすめの車用緊急脱出ツールについても紹介します。
目次
車用緊急脱出ツールとは
車用緊急脱出ツールとは、事故や災害などで車に閉じ込められたときに、車内から安全に脱出するための機能が備わったアイテムのことです。
例えば、窓ガラスを割るハンマー、外せなくなったシートベルトを切るカッター、車の延焼を抑える消火具など、万一に備えて搭載しておきたい緊急用品のことを指します。
車が水没したときも、車用緊急脱出ツールがあれば対処しやすくなりますから安心です。
車が水没したとき何が起こるのか
もしも車が水没したら、どのような事態が起きるのでしょうか。想定されるリスクを把握しておくことも、万一に備えるうえで大切です。
エンジンの故障
車のフロア面が浸水するくらいの水位だと、マフラーなどから吸気系を伝ってエンジンにも水が入っている可能性があります。
この状態でエンジンをかけると、エンジンが故障して車が動かなくなることがあります。
車両火災
海水に水没した場合、電気系統がショートして車両火災を引き起こすおそれがあります。
これは、海水に電気を通す性質があるからです。
エンジンをかけなくてもバッテリーが接続された状態なら電気は流れ続けますし、水が引いた後も電気系統の腐食でショートし、発火することもあります。
万一の車両火災に備えて、車内ですぐに使える消火具を用意しておくことも大切です。
水圧で閉じ込められる
水位が高い場所で水没すると、水圧でドアが開かず車外に出られなくなることがあります。
具体的に、水位がどれくらいの高さになるとドアが開かなくなるかを、JAFが検証実験を行っています。
その結果、セダンタイプの車だと水深60cmくらいで、ミニバンタイプだと水深90cmくらいでドアを開けるのが難しくなるそうです。
この検証では、車が水没した状態でドアを開けるには、通常の5倍近くの力が必要になると報告されています。
ただし、「完全に水没した状態」なら車内外の水位差が小さくなるため、ドアを開けやすくなると報告しています。
浸水時の対処法
車が浸水したときには、どのような行動をとればよいのでしょうか。
万一に備えて覚えておきたいポイントを紹介します
エンジンは絶対にかけない
吸気系を伝ってエンジンにも水が入っている可能性があるため、エンジンをかけると故障するおそれがあります。
水が引いた後でも、エンジン内に水が残っていることが考えられますから、むやみにエンジンをかけないようにしましょう。
ニュートラルにして手押しを試みる
水没した場所によっては、車を移動させなければならないこともあるでしょう。
その場合はエンジンをかけずに、シフトレバーをニュートラルにして、手で押して移動させます。
レッカー車を呼べる状況であれば、すぐに連絡して移動してもらいましょう。
車内に閉じ込められたときの対処法
車外の水位が高くドアを開けて脱出できないときは、窓を開けて脱出することになります。
水没した直後など電気系統が生きている状態であれば、パワーウィンドウは作動しますから、窓を開けて脱出しましょう。
パワーウィンドウが作動しなかったり、水位が車高より高く脱出が難しかったりする場合は、首のあたりまで浸水するのを冷静に待ってから足でドアを蹴り開けて脱出します。
車内外の水位差が小さくなるほどドアは開けやすくなりますから、とにかく慌てず冷静に行動を取ることが大切です。
窓を割って脱出する場合は?
水没した状況によっては、いち早く車外に脱出しなければ命に危険がおよぶこともあります。
そのようなときは、窓を割って脱出を試みるという方法を取ります。
ただ、車の窓ガラスは非常に頑丈な素材が使われているため、手で叩いたり足で蹴ったりしたくらいで割れるものではありません。
何よりもケガをして、その後の行動が取りづらくなりますから、手足で割るのは危険です。
このようなときに役立つのが、車用緊急脱出ツールです。
安全に窓を割るための脱出用ハンマーや、シートベルトがはずれないときに切るカッターなどを車内の手に届くところに常備しておけば、脱出までの時間を短くでき、助かる可能性が高まります。
おすすめ車用緊急脱出ツールを紹介
株式会社ワイピーシステムでは、水没した車から脱出する際にも使える車用緊急脱出ツール「消棒シリーズ」を用意しています。
コンパクトで使いやすく、万一のときでもスムーズに活用できるアイテムです。ここで、消棒シリーズの商品を紹介します
消棒ライフセーバー®
消棒ライフセーバー®は、「窓ガラスを確実に割るハンマー」と「シートベルトを素早く切るカッター」の両方を備えた、車用緊急脱出ツールです。
水没だけでなく、衝突や横転などの事故にも役立ちます。
ガラス粉砕ハンマーは最低限のエネルギーで破砕できるように設計されており、力の弱い女性や高齢者でも確実に割れる性能を持っています。
また、シートベルトカッターは1本あたり2秒未満で切れる性能を保持し、迅速な脱出をサポートします。
消棒ライフセーバー®製品ページはこちら
消棒RESCUE®
消棒RESCUE®は、「小型二酸化炭素消火具」に「ガラス粉砕ハンマー」と「シートベルトカッター」を装備した、1台3役の車用緊急脱出ツールです。
消棒ライフセーバー®と消棒miny®の機能を併せ持つ当商品は、世界で初めて「消す」「割る」「切る」の3つを備えた車用緊急脱出ツールとして当社が開発・販売しました。
また、日本初のJIS D5716認証商品でもあり、大手自動車メーカーでも採用実績があります。
消棒RESCUE®製品ページはこちら
JIS D5716認証の緊急脱出ツールを選ぼう
車用緊急脱出ツールは、市場に多くの商品が展開されています。商品を選ぶときには、信頼の証が示された商品であるかを確認することが重要です。
それを見分けるポイントのひとつが、「JIS D5716認証商品」であること。JIS D5716とは、自動車用緊急脱出支援用具に関するJIS(日本産業規格)の名称であり、品質や性能、安全性が第三者機関から評価されている、国のお墨付品といえます。
なお、当社の「消棒ライフセーバー®」と「消棒RESCUE®」は、JIS D5716認証商品で、品質や性能、安全性を証明するための試験に合格しています。また、「消棒miny®」は、消防法に準拠した商品です。
まとめ
梅雨末期の集中豪雨、大雨や高潮をもたらす巨大台風、さらに巨大地震にともなう大津波など、車の水没事故に遭遇するリスクは近年高まっているように感じます。
万一遭遇した際に、自分や同乗者の命を守るためにも、車用緊急脱出ツールはぜひ車内に備えておきたいアイテムです。
また、いざというときに使うものですから信頼性の高い商品を選ぶことも大切です。
JIS D5716認証商品「消棒シリーズ」のように、第三者機関のお墨付きがある商品を選び、万一に備えて車内に常備されることをおすすめします。