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工事現場から火災をなくそう!原因と防火の方法を紹介

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工事現場から火災をなくそう!原因と防火の方法を紹介

工事現場には断熱材や発泡スチロールといった可燃物が多く、不注意や放火などによる火災が起きています。

工事現場で火災事故が発生すると、建設中の建造物が消失してしまうだけでなく、工事作業員や近隣住民の死傷にもつながる恐れがあり、防火管理が重要になってきます。

今回は、工事現場での火災事故の現状や主な発生原因、火災を防ぐ方法を紹介いたします。

工事現場での火災事故の現状

東京都における工事現場での火災事故を厚生労働省(東京消防庁のデータ)が公表しています。

工事中の防火管理」によれば、平成21(2009)年から平成30(2018)年までの工事現場における火災発生件数は、毎年100件前後で推移しています。

"なお、東京都におけるすべての火災事故の件数は、4,000から5,000件前後で推移しているため、火災全体のうち工事現場での火災事故が占める割合は大体2~2.5%程度といえます。
(「数字で見る令和3年中の東京消防庁管内の災害動向等」東京消防庁)。"

一方、日本全国を見ると、令和4(2022)年(1~12月)における火災総出火件数は、3万6,375 件(概数)となっています。日本全国における工事現場での火災事故の発生状況を示す統計データを示すことはできませんが、2~2.5%の割合で発生していると仮定すると、700から900件前後が工事現場で発生している計算になります。

割合からは、さほど深刻な数ではないようにも見えますが、工事現場で一度、火災が起きれば従業員が死傷する恐れがあるばかりでなく、建設中の建物が損壊する可能性もあり、近隣住民へ被害が及ぶ懸念もあります。
施主の信頼も失うでしょう。工事現場での火災事故は、発生件数0を目指して対策していく必要があります。

工事現場での火災の主な発生原因

東京消防庁の資料「なくそう!工事現場からの火災」によれば、工事現場における火災の発生原因ワースト3は、「溶接・溶断作業」「放火(疑いを含む)」「たばこ」となっています。

溶接・溶断作業

溶接や溶断作業では、高温の電気アークやガス炎が使用され、作業の過程で火花や溶融金属が飛び散ります。これらが周囲の可燃物などに引火することが火災の要因となります。

特に、作業前の確認不足から、火気の近くで作業を行ってしまうと、火災のリスクが高まります。

放火(疑いを含む)

断熱材や発泡スチロールといった可燃物の多い工事現場では、放火や放火疑いによる出火も発生しやすくなります。施主や施工者などに対する敵意・恨みが動機となるほか、無関係の人によるいたずらも発生しています。

一般的な私有地や建物に比べると部外者の侵入を防ぎにくい構造となっているため、放火以外にも盗難や落書きといった犯罪防止のために対策を取る必要があります。

たばこ

作業員のたばこの不始末が原因で火災が発生する場合もあります。

本来、作業員の喫煙場所は指定されているはずですが、指定された場所以外、特に火気や可燃物の付近での喫煙により、火の粉が飛んだりポイ捨てが原因となったりして火災に発展することがあります。

作業員だけでなく、通行人や不法侵入者などのたばこが原因となるケースもあるため、防犯対策などを十分に施す必要があるでしょう。

工事現場での火災事故例

実際に工事現場で発生した火災事故例を3件、ご紹介いたします。

鋼材のガス溶断作業中の火災

平成30年7月、東京都多摩市において鋼材のガス溶断作業を行っていたところ、階下の天井部分に吹き付けられていた発泡プラスチック系断熱材にガス切断機のバーナー火炎が接炎し、熱分解ガスが発生。
さらに断熱材に燃え移る火災が起きました。
この火災事故で42人が救急搬送され、うち5人が死亡しました。

(出典:「建設現場火災事例(平成30年度:東京)」東京労働局)

新築工事中、建物の屋上から出火した火災

新築工事中、工事作業員が塔屋屋上でアセチレンガス切断器を使用して鉄板の切断作業をしていた際に、鉄板と切断屑を一斗缶で回収していましたが、溶融した金属粒を回収できず、落下した金属粒が屋上の断熱材に着火して出火。
この火災事故で屋上の塔屋デッキプレート100m2、断熱材約30m2などが焼損し、4人のけが人が出ました。

(出典:「工事中の防火管理」厚生労働省)

新築工事中、建物の地下1階から出火した火災

新築工事中、工事作業員が地下1階でディスクグラインダを使用し、金属製メッシュの切断作業をした際、飛散した火花が床のかさ上げ用に敷かれていた発泡スチロールに着火、出火しました。
この火災事故で地下1階から3階、および塔屋部分約200m2が焼損し、3人のけが人が出ました。

(出典:「工事中の防火管理」厚生労働省)

工事現場での火災を防ぐ方法

では、このような火災を防ぐには、どのような対策を取れば良いのでしょうか?

特に、発生原因として多い溶接・溶断作業を行う際について重点的にお伝えいたします。

溶接・溶断作業で火災を防ぐ方法

まず、溶接・溶断作業を行う場所の付近には可燃物を置かないことを徹底しましょう。
作業現場の周囲を不燃性のシートなどで遮へいし、防護対策を行います。

また、工事作業員に対する火災予防の教育と訓練も必要です
。安全な作業方法をレクチャーし、可燃性物品や危険物などの付近での火気使用を禁止し、緊急時の対応や適切な報告手順などの訓練を実施しましょう。
その上で、工事作業員には、ガウンや、マスク、フェイスシールド、ゴーグル、手袋などの個人用防護具(PPE/Personal Protective Equipment)を着用させてください。

火災予防のためには、定期的な点検も重要です。
消火器や消火栓、火災報知器・火災報知システム、避難経路、非常口などの防火対策を点検し、指定の喫煙場所以外でたばこを吸っている作業員がいないか、避難経路や防火戸や防火シャッターの閉鎖障害となる場所に資器材などを放置していないかなども定期的にチェックしておきましょう。

さらに、万が一の火災に備えて消火器などの消火器具を準備しておくことで、被害を最小限に食い止めることができます。

このほか、防犯ライトや防犯センサー、監視カメラ、警備員を配置したり、「防犯カメラ作動中」「監視中」といった掲示を行ってセキュリティに注力していることをアピールしたりなどの防犯対策を行うことで、その他の火災原因や犯罪を防止することができるはずです。

それでも工事現場で火災が起きてしまったら…

このような対策を実施していても、さまざまな理由から工事現場の火災を完全に防ぐことは困難です。

そこで、万一、火災が発生してしまった場合は、次のような行動を取りましょう。

119番通報する

火災が発生してしまった際は、119番で火災の発生場所、状況などを消防へ通報する必要があります。

たとえ小さな火であっても、必ず通報しましょう。

周囲に知らせる

通報と同時に、工事現場の付近にいる作業員や通行人、住民などの安全を守るために、大声を出したりサイレンを鳴らしたりして、周囲に知らせることが大切です。

できるだけ早期に知らせることで、初期消火や避難の効果が高まります。

初期消火を行う

周囲に知らせた後は、消火器などで火元の消火活動を行います。特に、火が天井に達する前の消火の場合は、消し止められる可能性も高いです。

初期の火災なら、軽量・コンパクトなエアゾール式簡易消火具もおすすめです。
「消棒(R)」シリーズなら、二酸化炭素による消火のため消火後も粉や泡などが残らないため、周囲を汚したり電子機器にダメージを与えたりすることもありません。

身の安全に注意しながら、消防隊員が到着するまでに可能な範囲で鎮火に努めましょう。

ただし、火が拡大して制御できなくなった場合などは、迅速に避難してください。

避難する

初期消火を行う作業員または現場管理者以外は、速やかに避難する必要があります。

煙を吸入しないよう、タオルやハンカチなどの布で口と鼻を覆い、指定の避難場所まで避難してください。

工事作業員がスムーズに避難できるよう、あらかじめ避難経路や非常口を周知した上で、避難訓練も実施しておくことが肝要です。

まとめ

工事現場での火災事故の発生件数は、全体から見ると特別に多いとはいえないものの、建築中の構造物の破損、工事作業員や近隣住民の死傷など、大きな被害につながる恐れがあります。

工事現場での火災事故の発生原因として特に多い溶接・溶断作業時の引火や放火、たばこの火の不始末を防げるように、ここでご紹介したような対策を講じましょう。

ワイピーシステムのエアゾール式簡易消火具簡易消火具「消棒(R)」シリーズは、一般的な消火器よりも軽量・コンパクトで使いやすく、工事現場における初期消火にも有効です。消火剤には、食品添加物などにも使用される二酸化炭素を採用しており、消火後も粉や泡などが残りません。後始末が不要なだけでなく、電子機器などにダメージを与えることもありません。

工事現場における万一の火災発生に備えて、「消棒(R)」シリーズの準備をおすすめします。

株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社ワイピーシステム
消棒シリーズ マーケティング部門

日々の防災分野で役立つコラムを発信。
経済産業省「新連携」事業全国第1号認定を得て、二酸化炭素消火具「消棒®」シリーズを開発し製造販売しています。

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