5月~9月にかけての集中豪雨、台風による水害の時期に限らず、雪の季節でも車の水没事故が起こり得るのです。
もちろん季節に関わらず、海や川などの水面に落ちる事故はいつでも起こり得るものです。
今回のコラムでは、川や海に車が転落したらどうすればよいかについて解説したいと思います。
目次
1 車が冠水した場合のリスク
以下の図に示すように、川や海の水面への転落を始め、車が冠水した場合のリスクには次のようなものがあります。
1-1 ドアが開かなくなる
水面がドアの高さの半分を超えると開けられなくなると言われています。
1-2 自動スライドドアやパワーウインドウが作動しなくなる
自動スライドドアやパワーウインドウが作動しなくなる。水圧(水面)が床面を超えると電気装置が故障する可能性があります。
1-3 エンジンが停止する
排気口(マフラー)から浸水するとエンジンが停止し再起動しなくなる可能性があります。
1-4 車が流される
タイヤが完全に水没すれば車体が浮いて移動困難になり、水流があれば車が流されることになります。
2 リスクへの対処方法
2-1 窓を開けて脱出する
車種や状況にもよりますが、車は冠水しても浮力により数分間は浮いていられます。
水面が窓の下にある状況であれば、窓からの脱出を試みましょう。
まず、シートベルトを外し、座席横の窓を開けます。電動式のパワーウインドウでも、
浸水するスピードによっては動く場合がありますので、あきらめずに行動することが大切です。
窓が開かないときは、専用の脱出用ハンマーを使って窓ガラスを割るしかありません。
その際に、水没していない側面や後方の窓を割ることが重要です。
一般的に、自動車はエンジンのある前方から沈みます。前方の窓が沈みかけている状態で窓を割ると、
割った瞬間に水が勢いよく流入して水没するまでの時間を早めてしまいます。そのため、水没していない側面や後方の窓のほうが脱出しやすいのです。
2-2 ドアを開けて脱出する
窓から脱出できないときは、ドアを開けて脱出する方法もあります。ただし、車内がほぼ水没するまで待たなければなりません。
車内が水没してドア内外の水圧差が小さくなると、ドアは開けやすくなります。
水位が首のあたりまで上がったら、大きく息を吸い込み足などで力を込めて押し開けます。
なお、電磁式ドアロックをしている場合は、水没する前に各ドアにある手動のレバーやノブなどで解除しておきます。
この方法は、タイミングを逃すと脱出できないこともありますから、沈着冷静に行動することが重要です。
なお、冬場は水温は低いため、窓が開くまで車内への浸水を待っていると低体温になり身体が動かなくなったり、
命のリスクも高くなる可能性があります。いち早く脱出用ハンマーを使って窓ガラスを割った方がリスクが低くいと考えられます。
2-3 水没した車から脱出するのに役立つツール
車が水没したら、窓から脱出を試みるのが第一です。
ただし、電動式のパワーウインドウだと、電気系統のトラブルや水圧などで開かないこともあります。
こうした事態に備えて、車の窓ガラスを割るための脱出用ハンマーを車内に用意しておくと安心です。
車が水没したら、窓から脱出を試みるのが第一です。
ただし、電動式のパワーウインドウだと、電気系統のトラブルや水圧などで開かないこともあります。
こうした事態に備えて、車の窓ガラスを割るための脱出用ハンマーを車内に用意しておくと安心です。
なお、車の窓ガラスは通常の窓ガラスよりも強度が非常に高く、一般的なハンマーで割るのは困難です。
自動車の窓ガラスを破砕するための専用の脱出用ハンマーを備える必要があります。
※ 自動車緊急脱出支援用具に関する国家規格JIS D 5716では、
脱出用ハンマーの設置場所を運転者の手が届く場所(ドアポケット)に固定して設置することが定められています。
また、水没した状況によってはシートベルトが外れないケースもあるため、カッターも備えておくと安心です。
さらに、水害などで冠水した車両では、電気系統の漏電により火災が発生する可能性もありますので、簡易的な消火具も準備しておきたいところです。
ヘッドレストで窓ガラスを割る方法もあります。具体的には、シートからヘッドレストを取り外して、棒の部分を窓ガラスの隙間に差し込みます。
その状態で手前に引き寄せると、テコの原理で強い力が加わり、ガラスが割れるのです。
比較的に軽い力でも割れるため女性や高齢の方にも有効な方法ですが、このことを知らなかったり、パニックな状態や事故などで自由に動けない場合では難しいかもしれません。
「割る」「切る」「消す」の3つを備えた「消棒RESCUE®」
こうした冠水時や水没時の車のトラブルに、ひとつで対応できるツールがあります。それが、ワイピーシステムの「消棒Rescue®」です。
消棒Rescue®は、窓ガラスを割る「ガラス粉砕ハンマー」と「シートベルトカッター」、そして車の火災に対応した
「小型二酸化炭素消火具」の1台3役を備える、車用緊急脱出ツール(脱出ハンマー)です。
使い方はとても簡単。ハンマーは最低限のエネルギーでガラスを破砕できるように設計されており、力の弱い方でも確実に割れる性能を保持します。
シートベルトカッターは、1本あたり2秒未満で切れ、迅速な脱出をサポートします。消火具は、人体に影響を及ぼしにくい二酸化炭素を使用。
消防法に準拠した商品で、ガソリン車、ハイブリット車、電気自動車、いずれのバッテリー火災にも有効です。
消棒Rescue®は、世界で初めて「割る」「切る」「消す」の3つを備えた車用緊急脱出ハンマーとして開発されました。
自動車用緊急脱出支援用具に関する国家規格「JIS D5716」の認証を受けており、大手自動車メーカーでも採用実績のある商品です。