
2025年の夏は、多くの地域や場所で短時間に集中的に雨が降る現象が起きています。1時間に80㎜~120㎜の降雨が予見込まれる場合には、地方気象台から「記録的短時間大雨情報」が発表されます。車の運転中、あるいは車を駐車中にそのような大雨情報が出たらどのように対処すればよいのかを解説してみます。
〈目次〉
1 2025年は2022年に次ぐ記録的短時間大雨情報の発表
2025年は、6月23日~9月17日までに148件の記録的短時間大雨情報が出されています。これは2022年の161件に次ぐ多さとなっています。
月別では、7月~9月に集中しており、8月が最も多くなっています。
気象台別では、静岡(50件)、岐阜(46件)、熊本(44件)、前橋(41件)の順となっています。気象台本庁(東京都)がそれに続き、2025年には10件発表しています。
(以上、「CPS-IIPリスクウォッチャー 気象リスクウォッチ」より。)
2 1時間50㎜以上の降雨での車の運転は危険
次の表に見られるように、1時間50㎜以上の降雨(水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる)では車の運転は危険となります。
このような状態になったら、車を減速し徐行する、道路わきや駐車スペースに停車するなどして、危険を回避しましょう。
気象庁「雨の強さと降り方」(平成12年8月作成、直近平成29年9月一部改正)
3 道路/アンダーパスの浸水の場合、水浸10㎝以上はエンジン停止の可能性
JAF(日本自動車連盟)では、自動車がどのくらいの浸水深の冠水路(アンダーパス)を走りきれるかを検証しています。
実験では、浸水深30㎝(フロントバンパーの上部に水が接する程度)では時速10㎞の走行でも30㎞の走行でも何とか30mを走り切れたものの、浸水深さ60㎝(時速10㎞走行でフロントガラスの下端まで水をかぶる)では、時速10㎞の走行途中でエンジンが停止しました。
水深60㎝、時速10㎞で走行
JAF「台風・大雨時のクルマに関する注意点」より
https://jaf.or.jp/common/attention/flood#a01
アンダーパスの様子は走行中の車中からは見えにくく、また冠水の程度を目測するのは困難です。大雨が続いたあとにアンダーパスを走行するのは危険であり、迂回するなどの避ける方法を実施しましょう。
【参考コラム】線状降水帯と危機管理(2024年1月28日)
https://www.syou-bou.com/media/2023/06/30/48
1時間50㎜をはるかに超えるほどの大雨では、都市インフラの排水能力を超え、建物の地下へ水が流れ込むことにより被害が発生すると言われています。9月12日に三重県四日市を襲った1時間120㎜記録的短時間大雨では、地下駐車場に水が流れ込み、300台弱の車が被害を受けました。
「地下2階は3メートル50センチの天井の高さまで完全に水没し、地下1階も最も深いところで1メートル20センチの高さまで水につかりました。」とのことです。
仮に地下2階の駐車場の車中に人がいたとすれば、その人は水没した車に閉じ込められてしまった可能性もあります。
地下駐車場の車を外に出そうとする場合、駐車場に流れ込む水の量や勢い観察するとともに、駐車場の管理者の意見を聞いて、慎重に行動する必要があります。無理に出そうとすると車に閉じ込められてしまうリスクがあります。
5 車に緊急脱出支援ツールを設置しましょう
大雨がもたらす車への被害は、河川の氾濫などにより車が流される、冠水したアンダーパスへの侵入、地下駐車場への浸水など様々です。
緊急脱出支援ツールとして消棒Rescue®を車に設置しておけば、こうした災害のときに救われる可能性が高くなります。
消棒Rescue®は、ドアガラス(強化ガラス)破砕機能、シートベルト切断機能のほかに二酸化炭素による消火機能も備えており、車に関わる事故、水害、火災を含む種々のリスクに 対処することが可能です。
消棒Rescue®は、緊急脱出支援ツールとして製品の安全性、機能の有効性などについて、JIS認証を得た製品です。また、消火機能についても総務省消防庁の要求基準を満たした製品ですので、安心してご使用いただけます。