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病院・クリニックの火災における初期消火の注意点と消火器の選び方

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病院・クリニックの火災における初期消火の注意点と消火器の選び方

1.初期消火の重要性

総務省のまとめによると、消防車や救急車などの緊急車両が現場に到着するまでの所要時間は、全国平均で約8.9分(※)と報告されています。火災発生時には、すみやかに119番へ通報することが大事ですが、消防車が到着するまでに可能な限り初期消火を行わないと被害が拡大するおそれがあるのです。

一般的に、初期消火は火災が起きてから3分以内に対処することが重要だといわれます。火が小さいうちに消火活動を行って延焼を防ぐことで、被害を最小限に食い止められます。

ただし、火災の発見が遅れて火の手が天井まで達している場合など、すでに燃え広がっている段階では自力で対処することが難しくなりますから、消火活動よりも避難を優先させることが大切です。

※出典:総務省「令和3年版 救急・救助の現況」の公表

病院火災の特性

院やクリニックなどの医療機関には、消毒用アルコールや酸素吸入器といった出火・延焼につながる薬品や機器が多く存在します。また、自力で避難できない入院患者の多い医療機関では、避難誘導に時間を要しますし、休日や夜間だと最小限のスタッフで通報や初期消火にも対応しなければならず、大きな被害につながる可能性が高いといえます。

実際に、平成28年度には病院やクリニックで発生した火災が全国で100件発生しており1名の方が亡くなっていますし(※)、最近でも令和3年12月に大阪のクリニックで27名もの死者を出す放火事件が起きています。

出火原因によっては難しいケースもありますが、過去の教訓として病院での火災時には初期消火が重要な対応行動であることもわかっているのです。

※出典:日本病院会災害医療対策委員会「病院等における実践的防災訓練ガイドライン」

2.病院で火災が発生したときの初期対応の手順

火災時の初期対応には「早く知らせる」「早く消す」「早く逃げる」という3つの原則があり、火災を発見したら以下の行動をすみやかに取ることが大切です。

(1)早く知らせる
火災を発見したら、非常ベルを押して建物内にいる人に周知します。大声で火災の発生を伝えることも重要です。また、小さな火であってもすみやかに119番へ通報しましょう。

(2)早く消す
消火活動は複数人で対応します。水や消火器だけでなく、布団やベットマットなども用いて火を鎮めるための努力を行います。

(3)早く逃げる
自力で避難できない入院患者などは、介助しながら避難させます。可能であれば、出火した部屋の窓やドアを閉めて空気を遮断し、延焼を防ぎます。

多くのスタッフが勤務している時間帯に火災が発生したら、あらかじめ初期消火の役割分担をしておくことでスムーズに対処できるでしょう。ただ、夜間など少人数の場合だと、患者の安全確保が最優先ですから消防へ通報したら避難誘導に徹するなど、状況に応じて優先すべき行動を決めておくことも大切です。

3.初期消火に有効な消火器の特徴

初期消火で用いる消火器には、「粉末消火器」「水消火器」「泡消火器」「二酸化炭素消火器」などの種類があります。また火災にも、紙や木材などが燃える「普通火災(A火災)」、石油暖房機器など油に起因する「油火災(B火災)」、電気配線などによって生じる「電気火災(C火災)」といった種類があります。

火災の種類に適合した消火器を使わないと、かえって火が燃え広がったり、設備や機器を破損させたりする場合があるため、状況に応じて使い分けることが重要です。

では、病院やクリニックに適しているのは、どの消火器なのでしょうか。火災の種類とあわせて考えてみましょう。

粉末消火器

粉末消火器は、もっともメジャーな消火器で病院やクリニックでも広く普及しています。粉末消火剤の冷却効果や窒息効果によって消火するタイプの消火器で、「普通火災(A火災)」や「油火災(B火災)」に効果的です。

ただ、電気配線などによって生じる「電気火災(C火災)」の場合、消火はできますが、粉末が飛散するため鎮火後の復旧が困難になる場合があります。

水消火器

文字通り、水で消火する消火器です。「普通火災(A火災)」に用いられる消火器ですが、「油火災(B火災)」だと油が飛散して、かえって延焼を促すことがあります。また「電気火災(C火災)」の場合は、漏電により被害が広がるおそれがあるため危険です。

泡消火器

泡消火剤は、泡の消火剤が燃えている部分を覆い、窒息効果によって消火するタイプです。「普通火災(A火災)」や「油火災(B火災)」には効果的ですが、「電気火災(C火災)」だと感電するおそれがあるため適しません。

二酸化炭素消火器(不活性ガス消火器)

二酸化炭素消火器は、二酸化炭素による窒息効果で消火するタイプです。「普通火災(A火災)」「油火災(B火災)※」「電気火災(C火災)」のいずれにも適合しており、消火剤は気化するため鎮火後の設備復旧も容易になります。金属や電気機器類と化学反応を起こす心配もなく、病院内の重要な設備や機器を守るうえで有効です。

なお、閉め切った室内で消火活動をすると二酸化炭素の濃度が高まり、二酸化炭素中毒になるおそれがありますので、適切な使い方を理解したうえの使用が求められます。

※直接火元に噴射すると火の付いた油が飛び散って火勢が増す場合があるので、油が飛び散らないように噴射することが必要です。

4.初期消火時に有効な消棒®シリーズ

病院やクリニックで想定される火災の初期消火には、二酸化炭素消火器が有効です。

ワイピーシステムでも、消火剤に二酸化炭素を用いた簡易消火具「消棒®」シリーズを提供しています。一般的な消火器よりも軽量・コンパクトで女性や高齢者でも使いやすく、消火効果も十分に発揮できる消火具です。消火剤の二酸化炭素は、炭酸飲料に使われるものと同じく食品添加物の二酸化炭素を使用しており、安全性を高めています。

ここで、初期消火時に活躍する消棒®シリーズについて案内しましょう。

消棒®

エアゾール式の二酸化炭素簡易消火具で、強力な消火力が特徴。「消棒®」シリーズ最上位グレードです。周囲を汚したり電子機器にダメージを与えたりすることもなく、機器や設備の多い病院やクリニックにも適しています。通電中の電子機器でも感電する心配がなく使用可能です。
消棒®は、消防法に準拠した商品で「エアゾール式簡易消火具技術上の規格を定める省令」にもとづいて製造しています(総務省消防庁 届出番号 A115229103A)。

消棒®

消棒miny®

こちらもエアゾール式の二酸化炭素消火具です。500mlペットボトルくらいのコンパクトなサイズが特徴で、病室や廊下、手術室など、さまざまな場所に設置できます。女性や高齢の方でも簡単に操作できますし、密閉した空間で使用しても二酸化炭素濃度は1%程度※しか上昇しないため、人体に影響を及ぼす心配もありません。
もちろん、二酸化炭素で消火するので周囲を汚さず後始末も容易です。タコ足配線火災やトラッキング火災など、電気機器の発火にも対応しています。 消防法に準拠した商品で、「エアゾール式簡易消火具技術上の規格を定める省令」にもとづいて製造しています(総務省消防庁 届出番号 A115129101A)。
※軽自動車内での測定値

消棒miny®

5.まとめ

病院やクリニックなどの医療機関における火災被害を最小限に抑えるうえで、初期消火は重要な初動対応です。仮に初期消火で鎮火できなかったとしても、延焼を遅らせることで避難の時間を確保でき、多くの人命を守ることにつながります。

初期消火は、火災発生から3分以内に行うことが有効とされますが、迅速に実行するには消火器を多く設置する必要があるなど、難しい病院もあるでしょう。消棒®シリーズなら、病室などにも簡単に設置できますし、おしゃれなデザインで違和感もありません。初期消火を確実に実行するために、誰もが手軽に使える消棒®シリーズを、ぜひご検討ください。

株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社ワイピーシステム
消棒シリーズ マーケティング部門

日々の防災分野で役立つコラムを発信。
経済産業省「新連携」事業全国第1号認定を得て、二酸化炭素消火具「消棒®」シリーズを開発し製造販売しています。

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