火災のリスクは、オフィスにも多く潜んでいます。万一オフィスで火災が発生すれば、従業員の生命にかかわるだけでなく、機密書類やデータも損失し、企業の存続に大きな打撃を与える可能性もあります。最悪の事態を避けるには、火災が発生するリスクがどこにあるのかを確認したうえで、対策や取り組みを行うことが大切です。
今回は、オフィスに潜む火災のリスクをお伝えするとともに、未然に防ぐための対策や、万一発生しても被害を最小限に抑えるためのポイントを紹介します。
出典:「事業所からの電気火災を防ごう!【消防署制作動画・丸の内署】」より
目次
オフィスで発生する火災の原因は?
東京消防庁の調べによると、オフィスで生じる火災原因の大半が「電気火災」です。
主に、蛍光灯や直流電源装置などの「電気機器」、コード類や差し込みプラグなどの「配線器具」から発火し、火災に発展するケースが多いとされます。具体的なケースを、いくつか紹介しましょう。
出火原因①:照明器具の劣化や不適合なLED電球の使用
照明器具を長年使用していると、外観に異常がなくても、内部の部品が劣化するなどして発熱や発火する場合があります。
また、近年はLEDの電球が普及していますが、LEDに適合しない照明器具に電球を取り付けたことで内部の部品が発熱・発火し、火災につながるケースもみられるようです。
出火原因②:コンセントに溜まった埃(トラッキング現象)
電源プラグを長期間コンセントに差し込んだままにしておくと、プラグとコンセントの隙間に埃がたまり、それが空気中の湿気を吸収して漏電・発火につながることがあります。
また、プラグとコンセントの間にクリップなどを挟み込むと電気が流れて発熱・出火につながることがあります。この現象を「トラッキング現象」といい、オフィスでよくある火災原因のひとつです。
特に、パソコンや複合機、冷蔵庫、給湯室などのコンセント部分で、トラッキング現象が発生するリスクが高いといわれます。
出典:「事業所からの電気火災を防ごう!【消防署制作動画・丸の内署】」より
出火原因③:誤った使い方をした電気タップ
タコ足配線にしているコンセントや電気タップも、火災の原因につながりやすい箇所です。コンセントや電気タップには、最大容量が決まっています。
その容量を超えて電気機器を使い続けると、発熱や焼損する場合があります。
出典:「事業所からの電気火災を防ごう!【消防署制作動画・丸の内署】」より
出火原因④:シュレッダーの詰まり
紙くずなどが詰まりやすいシュレッダーは、定期的に掃除する必要があります。その際に、エアダスターを使用すると火災になるおそれがあるため、注意が必要です。
エアダスターは、パソコン周りの埃を簡単に除去できる便利グッズですが、シュレッダーに使用すると噴出したガスが内部に充満して、稼働させた際に火花が引火して発火する危険があります。
出火原因⑤:コードの踏みつけ
オフィスの床の配線コードを椅子のキャスターなどで頻繁に踏みつけると、コードが損傷し、むき出しになった銅線に埃や紙が接触して発熱、発火する可能性があります。
出典:「事業所からの電気火災を防ごう!【消防署制作動画・丸の内署】」より
オフィスの火災を未然に防ぐには?
オフィス内にあるさまざまな電気機器には、火災のリスクがあることを理解しておく必要があります。
電気機器に起因する火災を防ぐには、「正しい用法で使うこと」が大切です。
照明器具の火災対策
照明器具の場合、蛍光灯照明本体の寿命は約10年といわれますから、外見に異常がなくても10年を目安に交換しましょう。
蛍光灯からLED電球に交換する際は、その照明器具が適合するものなのかを確認することが大切です。
トラッキング現象の発生を抑える
パソコンや複合機などのOA機器は、定期的に電源プラグを抜いて掃除するなど、トラッキング現象の発生を抑える対策をしましょう。
使用していないコンセントには「コンセントカバー」を付けることも、トラッキング現象による火災のリスクを抑えられます。
電源タップの最大容量を厳守する
コンセントや電源タップには、15A(1,500ワット)などの最大容量がありますので、タコ足配線にする際には、最大容量を超えないように注意しましょう。
差込口ごとに送電スイッチがついている「節電タップ」を使うのも一手です。
使用していない電気機器への送電を止めることで最大容量を超えるのを防ぎ、火災のリスクを下げることにつながります。
なお、電源タップにも寿命があります。古い電源タップは新しいものに交換しましょう。
床の上を整頓し、電線コードが物理的に損傷しないようにする
オフィスの床で人が通るところ、椅子のキャスターが動くところなどには配線コードがないようにするとともに、机の奥の配線も整理し、物理的な損傷が起きないようにしましょう。
万一火災になったら「初期消火」が大切
電気機器を十分に注意しながら使っていても、火災を完全に防ぐのは難しい点もあります。
万一火災が発生した場合に備えて、被害を最小限に食い止めるための対策も必要です。
火災による被害を最小限に抑えるには「初期消火」、つまり自分たちで対応できる消火活動が重要といわれます。
消防への通報をして消防隊が到着するまでの間に、可能な限り消火活動を実施することで、オフィスの延焼を防ぐのです。
初期消火を確実に実施するために、簡易消火具を備えるのも有効です。
ワイピーシステムの簡易消火具「消棒(R)」シリーズは、一般的な消火器よりも軽量・コンパクトで使いやすく、突然の発火や発煙に対応できます。
消火剤には、食品添加物などにも使用される二酸化炭素を採用。
トラッキング火災やタコ足配線火災といった電気機器に起因する火災にも対応しており、十分な消火効果を発揮します。
また、消火後も粉や泡などが残らず、後始末は不要。電子機器にダメージを与えたり周囲を汚したりする心配もありません。
万一の火災に備えて、「消棒(R)」シリーズをご用意されてはいかがでしょうか。
まとめ
オフィスで使用する電気機器は、誤った使い方をすると火災に発展するリスクがありますから、正しく利用することが大切です。
特に、照明器具やコンセント周りは電気火災のリスクが高いため、定期的にチェックやメンテナンスを実施し、電気火災の予防に努めましょう。
万一火災が発生したら、初期消火が重要です。被害を最小限に抑えるだけでなく、仮に鎮火できなかったとしても延焼を遅らせることで避難の時間を確保でき、多くの人命を守ることにつながります。
初期消火を確実に実行するには、誰もが簡単に使える簡易消火具を備えることも有効です。
簡易消火具「消棒(R)」シリーズは、オフィスにも簡単に設置できますし、おしゃれなデザインでオフィス内にあっても違和感がありませんので、ぜひご検討ください。