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グローバルな異常気象と水災害

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グローバルな異常気象と水災害

水に関する災害も世界各地で発生しています。日本では、4月17日に浜松で1時間に54.5㎜の4月観測史上最大の豪雨がありました。

アラブ首長国連邦(UAE)東部のアル・アインでは、24時間で1年間の降水量を大きく超える254㎜の降水があり、ドバイ国際空港が冠水するとともに、北部の都市では車に閉じ込められた男性が死亡という災害が報じられました。

また中国南部の広東省では4月下旬に記録的な大雨が続いていて、洪水により各地で冠水などの被害が出ています。この大雨の影響か、5月2日に広東省の山岳地域を通る高速道路の一部が崩れ、多くの人々が犠牲になっています。

このような大雨をはじめとする異常気象は、世界的な気候変動との関連性があるのではないかと言われています。

本コラムでは、世界的に異常気象が発生する原因を解説するとともに、これから本格的な雨のシーズンを迎える私たちは、災害に対してどのように対処すればよいのかをお話したいと思います。

1.異常気象とは

「一般には、過去に経験した現象から大きく外れた現象のことを言います。大雨や暴風等の激しい数時間の気象から、数か月も続く干ばつ、極端な冷夏・暖冬まで含みます。また、気象災害も異常気象に含む場合があります。気象庁では、気温や降水量などの異常を判断する場合、原則として「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象」を異常気象としています。」

(気象庁「気候・異常気象について」より) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq19.html

2.世界的な異常気象の発生状況

この図は、2023年の異常気象の世界的分布を示しています。高温、多雨、少雨、サイクロン、森林火災(米国ハワイ州)が示されています。

2023年の異常気象の世界的分布図

3.地球の平均気温の上昇

上記の図に見られるように、世界的に高温化が広がっている印象があります。世界気象機関(IMO)が以下のようなグラフを発表しています。

世界気象機関(IMO)のグラフ

IMOは、「2023年10月までの地球表面の平均気温が産業革命以前の1850〜1900年の基準に比べ1.40度(誤差±0.12度)高い」と発表しています。

いわゆる「地球温暖化」といわれる現象です。その原因は、人類の産業活動が活発によって、二酸化炭素、メタン、さらにはフロン類などの温室効果ガスが大量に排出されて大気中の濃度が高まり熱の吸収が増えた結果ではないかといわれています。

4.高温化によりなぜ大雨や水害が発生するのか

気候変動は、エルニーニョ現象など、地球環境の「ゆらぎ」によるものもあり、必ずしも「地球温暖化」だけによるものとは言えない面分もありますが、我々がここ10数年くらい経験してきた水災害の傾向から、高温化による災害を常に念頭に置いておくことが大切だと思います。

高温になるとになると海や地面からの水蒸気が増えます。ある研究では気温が1度上がると水蒸気の量が約7%増えるそうです。

しかし、水蒸気が増えてもそれがすぐに雨になるわけではありません。雨が降るには海からの湿った空気が流れ込んできてそれが上昇気流で雲になって雨粒になるまで発達する必要があります。そうした条件が整ったところでは、雨になると大雨になる可能性が高くなり、そうでないところは逆に高温少雨(日照り、干ばつ)になりやすいということになります。

【気象災害の数】(WMO及びBBC資料から)

【気象災害の数】(WMO及びBBC資料から)

【報道記事による災害種別災害数(世界)】(国際建設技術協会水資源・防災部 主任研究員 熊谷 利彦(自主研究)より)

【報道記事による災害種別災害数(世界)】(国際建設技術協会水資源・防災部 主任研究員 熊谷 利彦(自主研究)より)

5.スーパー台風発生の可能性

世界全体でみると、温暖化により台風の勢いが強まるとみられています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、「温暖化に伴い、台風など熱帯低気圧の強さや降水量が増える」と予測されています。地上の平均風速が1分間の平均で秒速67メートル以上になり、強度が高まって危険な「スーパー台風」が増えており、日本にもそうした台風が襲来する可能性が高まってみるとみることができます。

6.水害対策

集中豪雨(線状降水帯、ゲリラ豪雨を含む)や台風では、短時間での大雨や強風を伴うため、土砂災害、洪水、河川氾濫、浸水害、強風による被害、高潮などのリスクがあります。

(1)自分(家族)がいる状況を認識し、災害リスクを確認すること

裏が山や高台になっている場合には、土砂災害の可能性を認識しなければなりませんし、近くに河川や用水路などがある場合には、家屋への浸水を認識しなければなりません。また、強風が予想される場合には、外に出している看板、のぼりなどを屋内に片づける必要とともに、風に弱い造作物を補強するなどの対策をとる必要があります。リスクは様々なので、自分や家族が住んでいるところや周辺の環境を日頃から調べておくことが大切です。

(2)行政情報を受信し、その指示に従うこと

大きな災害は自分だけの力で防げるものではありません。国や県、市町村が発信する情報に従って適切な行動をとることが大切です。特に自分や家族の命に関わることが懸念される場合には、早めの避難が大切です。

【参考】「大雨や台風にそなえて」(気象庁)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/ooametyphoon/ooametyphoon202103.pdf

 

(3)自動車で移動している場合

最近の大雨ではゲリラ豪雨など短時間でいきない集中豪雨に見舞われることも少なくありません。自動車で移動中の場合もあるでしょう。その場合注意しなければならないのは、アンダーパスといわれる交差する鉄道や道路などの下を通過するため、周辺より 低くなっている道路に向かう方向を走行中、あるいはアンダーパスを走行中に渋滞に巻き込まれている場合などです。集中豪雨の場合にはきわめて短時間の間に水嵩が増し、自動車が流され、あるいは水没する恐れもでてきます。アンダーパスではなくても、周辺より地面が低くなっている道路や場所(駐車場も)でも同じようなリスクがあります。

これまでも本コラムで水没した自動車に生じるリスク及び自動車からの脱出方法について何度か取り上げてきましたが、それらのコラムをご参照いただくとともに、いざというときに脱出できるツール(用具)を車内に装備しておくことで、車での災害に遭遇した場合のリスクを軽減していただければ幸いです。

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著者情報

株式会社ワイピーシステム
消棒シリーズ マーケティング部門

日々の防災分野で役立つコラムを発信。
経済産業省「新連携」事業全国第1号認定を得て、二酸化炭素消火具「消棒®」シリーズを開発し製造販売しています。

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